完全には治らない性器ヘルペス。再発抑制療法との上手な付き合い方

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お薬で症状を抑えることができる性器ヘルペスですが、一度感染すると再発しやすいという特徴があります。

多くの人が1回以上は再発するといわれていますが、中には5回以上再発してしまう人も。では、完治させられないならば、この病気とどのようにお付き合いしていけばいいのでしょうか。

現在、再発を防ぐ目的で行われているのが再発抑制療法です。ここでは、再発抑制療法について紹介していきます。

性器ヘルペスは完治しない病気!?

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性器ヘルペスは、治療によって症状がなくなったとしても、再発してしまうことが多い病気です。では、性器ヘルペスを完治させることはできないのでしょうか?

もっと言えば、性器ヘルペスは一度感染したら最後、治ることはないのでしょうか?

残念ながら、答えはYESです。

というのも現代の医学においては、ヘルペスの“症状を治す”ことはできてもその原因となる“ウイルスを駆除する”ことはできません。

性器ヘルペスの治療に使われる抗ヘルペスウイルス薬にはヘルペスウイルスの“活動を抑える”作用しかないため、この薬を服用・外用することで性器ヘルペスの症状を改善することはできても、体内にいるウイルスをゼロにすることはできないのです。

そして追い出せなかったウイルスは神経節の奥深い部分に潜んでいますので、何らかのきっかけによってウイルスが増殖し始めれば、再び症状があらわれてきます。

つまり性器ヘルペスは、症状を治すことはできても完治させることはできない病気である、というわけですね。

性器ヘルペスの再発を防ぐにはどうすればいいの?

「性器ヘルペスは完治しない」なんて聞くと、絶望的な気持ちになってしまいますよね。

しかし性器ヘルペスは基本的に、再発、つまり体内に潜んでいるヘルペスウイルスが増殖しない限り症状が出ることはありませんし、症状が出ていなければ、ウイルスを人に感染させてしまうリスクもかなり低くなります。

要するに性器ヘルペスは、再発させないようにすることが大切であるわけですね。

では、性器ヘルペスの再発を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
性器ヘルペスは、体の抵抗力が落ちているときに再発しやすくなります。そのため性器ヘルペスの再発を予防するには、

・睡眠を十分にとって体の疲れをとる
・アルコールの過剰摂取を控える
・長時間、強い紫外線にあたらない
・ストレスを溜めすぎない

といった対策が効果的です。

またこの他に、性器周辺の皮膚の摩擦や損傷を防いだり、他の性感染症を予防したりすることも大切です。

頻繁に再発する性器ヘルペスには再発抑制療法が効果的

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性器ヘルペスは再発率が非常に高く、その原因となる単純ヘルペスウイルスⅡ型に感染した人のうち実に80%以上の方が1年以内に再発しているというデータも存在します。(ちなみにⅠ型ウイルスが原因で性器ヘルペスになった人の再発率は約20%程度)。

そしてこの再発の頻度ですが、1年に1回程度しか症状が出ない方もいれば、月に何度も症状が出る方もいます。

確かにこの病気は、抗ヘルペスウイルス薬を使うことで治療することができます。しかし、かなりの頻度で再発するというのは、やはり厄介ですよね。

そんな時は、「再発抑制療法」を検討してみてはいかがでしょうか。

再発抑制療法とは?

再発抑制療法は、性器ヘルペスの再発を予防するために行われる治療法のことです。

もとは欧米で行われていた治療ですが、性器ヘルペスを再発する人が増加していることから日本でも治療が導入されるようになりました。海外では1980年代から行われていた治療法ですが、日本で承認されたのは2006年と比較的最近のことなのです。

対象者は年に6回以上再発を繰り返している人

性器ヘルペスはほとんどの人が再発を繰り返す病気ですが、再発抑制療法を受けることができるのは1年の間に6回以上再発を繰り返している人です。治療を受けるためには、医師の診察によって再発していることが認められる必要があります。新しい病院を受診した場合や、症状がなくて再発が認められない場合は再発抑制療法を受けられないことがあるので注意しましょう。

再発抑制療法の治療内容と注意点

再発抑制療法では、毎日抗ヘルペスウイルス薬を服用しなければいけません。抗ウイルス薬によってウイルスの増殖や活性化を抑えることが目的であるため、長期的な服薬が前提となっています。途中で服薬をやめてしまうと再発抑制療法の効果は出なくなってしまうので、治療を始める時は注意しましょう。

毎日1~5回抗ヘルペスウイルス薬を服薬する必要がありますが、薬を飲んでいれば必ず予防できるという訳ではありません。ただ、研究によると1年間服薬をしていた人の約4割は全く発症することはなかったという結果も出ています。また、性行為による感染も防ぐ効果があるようです。ただし、100%感染を防げるわけではありませんのでコンドームを使用するなど、再発防止に努めることも大切です。

基本的には、1年間治療を継続し、その後に治療継続の有無を決めることが多くなっています。

<再発抑制療法で使われる抗ヘルペスウイルス薬>
・アシクロビル(ゾビラックス)
・バラシクロビル(バルトレックス)
・ファムシクロビル(ファムビル) など

再発抑制療法の副作用は?

副作用として、下痢や腹痛、頭痛、嘔吐が起こることがあります。また、腎臓に影響を与えるタイプの薬のため、定期的に検査値を調べる必要があります。高齢の場合や、腎臓疾患の治療を受けている場合などは、必ず医師の指示を受けてから治療を開始するようにしましょう。

再発抑制療法にかかる費用

保険が適用されますが、1ヶ月で約6000円(1日約200円)となっています。1年間治療を継続した場合は、年間で7万円ほどかかってしまう計算になります。

ただ性器ヘルペスは再発しやすい病気であり、約8割の人は初感染から1年以内に一度は再発すると言われています。さらに、年間に数回再発を繰り返すということも珍しくありません。再発抑制療法の費用は高いですが、再び痛い思いを何回も繰り返すことを考えると、人のよっては高くはないかもしれません。

まとめ

性器ヘルペスは、残念ながら一度感染すると完全に治すことができません。

しかし適切な治療を受けることで症状を改善することは可能ですし、生活習慣やストレス環境を改善することで再発を予防できる場合もあります。

また、1年間の間に6回以上性器ヘルペスを再発しているという場合は、再発抑制療法の対象となっていますので、一度治療を受けることを検討してみるといいでしょう。

性器ヘルペスは上手にお付き合いしていくことができる病気ですので、不安なことがある方は、今後の対策について医師に相談してみることをおすすめします。

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