痛みや痒みなどを伴う水疱ができるヘルペスですが、回復してくると患部にかさぶたができてきます。ただしここで油断をすると、回復が遅れたり他人にうつしたりしてしまう可能性があります。ここでは、ヘルペスがかさぶたになったときに注意すべきポイントについて、詳しく紹介します。
目次
かさぶたになっても他人にうつる可能性がある
口唇ヘルペスの症状は、患部に起こる違和感から始まります。その約半日後には患部が赤く腫れ、3~5ミリくらいの水ぶくれへと変化していきます。そして回復期に入ると水ぶくれができていたところにかさぶたが形成されます。
水ぶくれが出ているときは感染の危険性が高い、というのは周知の事実ですよね。では、かさぶたが形成される回復期になっても、他人にうつってしまうことはあるのでしょうか。
かさぶたの内部にはウイルスがいる
ヘルペスがかさぶたになってきたら、「これでとりあえず、他人にうつす心配はない」と思われる方もいるでしょう。
実際、かさぶたが形成される段階になると、その表面にはほとんどウイルスが存在していません。しかしかさぶたの内部にはウイルスが存在していますし、かさぶたが完全に乾燥していない場合、その表面にもウイルスがいる可能性があります。
ヘルペスはかさぶたになっても他人にうつることがありますので、症状が完全になくなるまでは気をつけましょう。
患部をむやみに触らないようにしよう
ヘルペスができていた部分にかさぶたが形成されてくると、気になってついつい触ってしまいがちです。
しかし指には様々な細菌・雑菌が付着しており、傷口からこれらが侵入すると、せっかく治りかけていたヘルペスの症状が再び悪化する可能性があります。またかさぶたやその周辺・内部には未だウイルスが存在することがあり、ウイルスが付着した指で他の部分に触れると、その部分にまでヘルペスの症状が出るようになる危険性もあります。
ヘルペスがかさぶたになっても、むやみに触らないようにしましょう。
かさぶたを無理に剥がさないようにしよう
くちびるは顔の中でも目立つ部分であるため、かさぶたができているとどうしても気になりますよね。また、「このかさぶたを剥がしたら傷が目立たなくなるかも…」なんて思われる方もいることでしょう。
しかし、早期の治癒を目指すのであれば、かさぶたを無理に剥がすのはやめましょう。
というのもヘルペスのかさぶたを無理に剥ぐと、傷口が外部にさらされることでバイ菌などが入ったり、ヘルペスの症状が悪化したりする可能性があるのです。
また最悪の場合、かさぶたを剥ぐことで皮膚に深刻なダメージが及び、痕になってしまうこともあります。
かさぶたを無理に剥ぐと治癒期間が長引きますので、自然に剥がれるまではそのまま放置しておきましょう。
自己判断で治療をやめるのはNG
ヘルペスがかさぶたになると、「これでもう大丈夫」「もう治った」と思い、自己判断で治療を中断してしまう方がいます。
しかしヘルペスは、かさぶたができても完治しているわけではありません。かさぶたの下にはまだウイルスがいますし、かさぶたが完全に乾燥していない場合、かさぶたの表面にもウイルスがいる可能性があります。
そのためこの段階で治療を中断すると、治癒期間がのびたり、再びウイルスが増殖して症状が悪化したりすることがあるのです。
かさぶたができても油断せず、症状が完全になくなるまではきちんと治療をし続けるようにしましょう。
日々の体調管理を怠らないようにしよう
ヘルペスは、一度症状が治まっても再発することの多い病気です。そのためヘルペスの治療・再発予防においては、日々の体調管理をしっかり行い体力や免疫力を落とさないようにすることも大切です。
具体的には以下のような対策が推奨されていますので、ぜひ覚えておいてください。
・規則正しい生活をする
・質のいい睡眠をたっぷりとる
・免疫力を高める食事にする
・適度な運動をする(ウォーキングやストレッチなど)
・喫煙や過度の飲酒を控える
免疫力を落とさないことはヘルペスのかさぶたが完全に剥がれてからも大切になってきますので、日々の生活の中で少しずつでも実践していきましょう。
また、症状が完全に治まるまでは、体力を落とさないようにすることも大切です。激しい運動や夜更かしなど体に負担をかけるような行為は、できるだけ控えるようにしましょう。
まとめ
ヘルペスは、水ぶくれが消えてかさぶたが形成される段階になっても、他人にうつしてしまう可能性があります。かさぶたはあくまで「治りかけ」であるにすぎませんので、油断せず完全に症状がなくなるまでは治療を続けて、しっかり治すようにしましょう。また、再発を予防するためにも、日々の生活を見直して免疫力を落とさないようにすることも忘れてはいけません。