ヘルペスになってしまった場合、症状に関することもさることながら、何をすれば人にうつしてしまうのか、その感染経路についても気になるところですよね。では、ヘルペスに感染した人が近くで咳をしていた場合、そのせいでヘルペスがうつってしまうということはあるのでしょうか。
今回は、咳によってヘルペスがうつるのか、という点について詳しくみていきましょう。
ヘルペスの感染経路について知っておこう!
発症すると患部に水ぶくれができ痛みが生じることもあるヘルペスですが、そもそもこのヘルペスには、どのような経路で感染するのでしょうか。
ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス」への感染が原因となって発症する病気で、このウイルスへは主に、患部に直接接触することによって感染します。
具体的には、
・キス
・頬ずり
といった行為がこれに当たります。
またヘルペスウイルスへは、間接的な接触によっても感染することがあります。
・感染者とのタオルや食器類の共有
・患部に触れた手で自分の肌(特に粘膜)に触れる
・グラスやペットボトルの回し飲み
など、ウイルスが付着しているものに接触、つまりウイルスに間接的に接触することで体内へとこれが侵入し、ヘルペスになってしまう可能性があるのです。
さらにヘルペスウイルスは、飛沫感染することもあります。
ヘルペスウイルスは体液(特に唾液)の中に含まれていることがあるため、これが飛んで皮膚や粘膜に接触・体内に侵入することでヘルペスに感染する、というわけですね。
つまりヘルペスウイルスへの感染経路には、
・直接接触
・間接接触
・飛沫感染
という3つのルートがあるということになります。
咳によるヘルペス感染は有り得るのか!?
では、ヘルペスになった人が咳をしていたという場合、この「咳」が原因となってヘルペスに感染してしまうということはあるのでしょうか?
残念ながら、答えはYESです。
しかしその可能性は、あまり高くないといえるでしょう。
上述のようにヘルペスウイルスへは、飛沫感染することがあります。
そのため、ヘルペスの症状が出ている人が至近距離で咳をし、その咳によって飛んできた唾液があなたの皮膚や粘膜に付着し、その中に含まれるウイルスが体内に侵入してきた場合にはヘルペスに感染してしまう可能性があるのです。
ただしヘルペスウイルスが空気感染することはありませんので、感染者の咳についてそこまで神経質になる必要はないでしょう。
ヘルペスへの感染を予防するにはどうすればいいのか
では、ヘルペスへの感染を予防するためには、どうすればいいのでしょうか。
実はヘルペスへは、いつでも感染するというわけではありません。確かにヘルペスウイルスには非常に強い感染力があるのですが、このウイルスが体の表に出てくるのはヘルペスの症状が出ている時だけで、普段は神経細胞の奥の方に隠れてしまっています。
そのためヘルペスウイルスへの感染を予防するには、ヘルペスの症状が出ている時に、患部と直接・間接的に接触しないようにしたり、飛沫感染に気をつけたりすればいいのです。
具体的には、以下のような点に注意してみてください。
・患部と接触しないようにする(水ぶくれができているときは特に注意が必要)。
・もしも患部に触れてしまった場合は、薬用消毒石けんなどで入念に洗う
・ヘルペスの症状が出ている人とは、タオルや食器類を共用しない
・感染者が使用した食器類は洗剤を使ってよく洗う
・飛沫感染を防ぐため、症状が出ている時は、感染者はもちろんその近くにいる人もマスクを着用する
・ヘルペスウイルスは体液(精液や唾液)にも含まれているため、症状が出ている時はキスやオーラルセックスを控える
ヘルペスの症状は、病み上がりで体力が弱っている時やストレスが溜まっている時、疲れている時、薬を服用している時などに出やすい傾向にあります。またヘルペスの症状が出る前には、口のまわりがヒリヒリしたりムズムズしたりするなど、何らかの前兆が現れることがあります。
そこでヘルペスへの感染を予防するには、ヘルペスの症状が“出そう”になった段階でマスクを着用したり人との接触を避けたりするのもおすすめです。
まとめ
ヘルペスは、咳によって飛ばされた唾液に触れることによって感染することもあります。ヘルペスウイルスには強い感染力があるものの、しっかりとした対策をすることである程度予防することは可能ですので、その予防法について、正しく理解しておきましょう。