口唇ヘルペスの可能性が疑われる症状が出た場合、勝手な自己判断で放置していると症状を悪化させて酷い跡が残ってしまうこともあります。
では、口唇ヘルペスになってしまったかもしれない場合、何科を受診すればいいのでしょうか。また病院では、どのような診察や治療が行われるのでしょうか。
目次
口唇ヘルペスってそもそも治るの!?
「口唇ヘルペスは再発しやすい」なんて話を聞いたことがある方も多いのではないかと思いますが、そもそもこの病気、治療することは可能なのでしょうか!?
残念ながら口唇ヘルペスは、根治、つまり二度と症状が出ないようにすることはできません。
というのも口唇ヘルペスの原因となる「単純ヘルペスウイルス1型」は一度感染すると体内の神経細胞に潜伏し続けます。
そして現代の医学では、一度体内に侵入してきたヘルペスウイルスを退治して追い出すことはできません。
「治せないのならば病院へ行っても意味はないのか!?」
なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
口唇ヘルペスを発症すると患部でウイルスが増殖して水泡が形成されるのですが、病院ではこの暴れ出したウイルスの増殖を抑制したり、いま現れている症状を抑えたりする治療をしたりすることができます。
つまり口唇ヘルペスは、根治することこそできないものの病院での治療を受けることによって症状の悪化を防いだり、辛い症状を早く治したりすることはできるというわけですね。
口唇ヘルペスになった場合、何科を受診すればいい!?
では、口唇ヘルペスを発症した場合、何科を受診すればいいのでしょうか?
「皮膚に症状が出るんだから皮膚科じゃないの!?」
と思われますよね。
確かに口唇ヘルペスの症状は口唇や口のまわりに出るのですが、ヘルペスに初感染した場合は、【内科】を受診することをおすすめします。
初感染した場合、
・発熱
・あごの下のリンパの腫れ
といったかなり重い症状が現れることがあり、場合によっては点滴などによる治療が必要になってきます。
そのため口唇ヘルペスが疑われる症状が出た場合は、皮膚科よりも内科を受診した方が、より適切な治療を受けることができるのです。
※もちろん皮膚科でも口唇ヘルペスの治療は受けられますので、一度感染したことがあり明らかにヘルペスの再発であることが疑われるような場合には、皮膚科を受診してください。
病院ではどのような治療が行われるの!?
口唇ヘルペスを発症した場合、病院ではどのような治療が行われるのでしょうか。
口唇ヘルペスの治療は、薬物療法によって行われます。どのような薬を使うのかということについては、症状の程度によって以下のように変わってきます。
軽症の場合の治療
比較的症状が軽い場合、以下のような外用薬を使った治療が行われます。
・5%アシクロビル軟膏
・ゾビラックス軟膏
・3%ビダラビン軟膏
・アラセナA軟膏
これらはヘルペスウイルスに対して効果を発揮する外用薬で、患部に1日3~4回程度塗ることで症状を改善していくことができます。
中等症の場合の治療
口唇ヘルペスの症状が少し重い場合、以下のような内服薬による治療が行われます。
・ゾビラックス(アシクロビル)
・バラシクロビル(バルトレックス)
・ファムビル(ファムシクロビル)
これらの内服薬を5日間服用することで、体内でのウイルス増殖を抑えていくわけですね。
重症の場合の治療
口唇ヘルペスを初めて発症した場合、あるいは免疫疾患など何らかの持病を抱えている場合、体力や抵抗力が著しく低下している場合などは、かなり重い症状が現れることがあります。
またアトピー性皮膚炎の方が口唇ヘルペスになった場合、カポジ水痘様の発疹が現れることもあります。
そしてこれらの重症例に対しては、注射や点滴による治療が行われます。
口唇ヘルペスは早期発見・早期治療が大切
口唇ヘルペスは、症状がでる前に「前駆症状」があらわれます。
そしてこの段階で治療を開始すれば、水泡が出ずにすむこともあります。
また例えヘルペスの症状が出てしまっていたとしても、治療開始が早ければ症状の悪化を防げますし、そのぶん治りも早くなります。
そこで口唇ヘルペス再発の予感がした場合はできるだけ早く皮膚科を受診するようにしましょう。
ちなみに口唇ヘルペスの前駆症状としては、
・口唇や口のまわりがピリピリ、チクチクする
・口のまわりがムズムズする
・患部にかゆみやほてりを感じる
といったものが挙げられます。
これらの前駆症状を頭に入れておけば、ヘルペスの症状が出ようとしているのかどうか、セルフチェックすることができますね。
まとめ
口唇ヘルペスの治療は、内科もしくは皮膚科で受けることができます。
初感染した場合、あるいは体質改善をして再発を予防したい場合など体の“内側からの”治療が必要となる場合は、内科を受診したほうが良いでしょう。