口唇ヘルペスは、完治が難しい疾患ではあるものの、症状自体は2週間ほどで自然治癒すると言われています。
しかし、誤った自己判断や適切な処置ができなかった場合、再発を頻繁に繰り返したり、水ぶくれの痕が残ってしまうなどのリスクが生じます。
そこで今日は、口唇ヘルペスの症状が一カ月近く治らない場合の対処法について、詳しくまとめてみました。
免疫力を高める
口唇ヘルペスは、人から人へ感染することで有名ですが、ストレスや疲労が溜まっていたり、体調不良などで免疫力が落ちてくると再発を繰り返すことでも知られています。
体力や免疫力の低下は、治療を長引かせる原因にもなっていますので、口唇ヘルペスの治りがいつもより遅いなと感じた時は、身体の抵抗力を作るためにもまずは生活習慣を見直すことから始めてみましょう。
早期治療の後押しをしてくれる生活習慣としては、バランスの良い食事に充分な睡眠、適度な運動を心がけて、ストレスをためないように自分なりのリフレッシュ方法を見つけることが基本です。
体内の免疫力を高めるためには、ビタミンA、C、B1、B6が多く含まれる食材を積極的に摂ることや、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える、喫煙を控える、飲酒はほどほどにする、身体に負担をかけない程度の運動をする、質の良い睡眠をとる、日頃からよく笑うなどを心がけていきましょう。
また、強い紫外線は肌細胞を破壊して免疫力を低下させる影響があるため、海やスキーなどに行く際は常にサングラスや帽子、UVクリームを塗るなどして紫外線対策を採る必要があります。
適切な治療薬を使う
患部の水ぶくれをそのまま放置しておくと、ウィルスの増殖が盛んになったり他の部位に飛び火して行く恐れがあります。
また、患部を清潔に保ったり、リップや軟膏などで保湿することは、症状の悪化を抑える効果はあるものの、ウィルス自体に作用している訳ではありませんので、症状を早く治したい場合には適切な薬を用いた治療が大前提となってきます。
通常、口唇ヘルペスを発症した場合、単純ヘルペスウィルス(HSV)の増殖を抑える薬を使用することで、症状の悪化を防ぐことができます。
そのヘルペスの病原体に有効な成分と言われているのが、塩酸バラシクロビルやアシクロビルと言った抗ウイルス薬であり、これらは2007年までは医師の処方がないと購入できない仕組みになっていました。
しかし、同年10月に、口唇ヘルペスの治療薬としてスイッチOTC薬が発売されたため、薬剤師のいるドラッグストアなどで口唇ヘルペスの治療薬が手に入るようになりました。
(スイッチOTC薬とは、今まで医師の処方でしか手に入らなかった薬が薬局でも購入できることになった市販薬を指します)
市販されている口唇ヘルペスの市販薬であるアクチビア軟膏には「アシクロビル」が配合されていますが、こちらには医療用と同じ5%のアシクロビルが配合されているため、病院の処方薬と同様の効果が期待できると考えられています。
ただし、薬局で手に入る治療薬は、塗り薬のみとなっていますので、服用による抗ウィルス薬の投与を希望する場合には、医師の診断を受ける必要があります。
また、既に水泡が治りかけていたり、神経節に潜んでいるヘルペスウィルスに関しては、医療用と同様薬の効果は期待できません。
帯状疱疹の可能性を疑う
立て続けに口唇ヘルペスを繰り返す場合、実は帯状疱疹になっていたと言うケースも決して少なくはないようです。
そもそも、口唇ヘルペスと帯状疱疹は同じ「ヘルペスウィルス」であり、これが体内の神経を伝わって皮膚に到達することで発症していきます。
また、両者ともストレスや過労、体調不良などで免疫力が低下している時に発症しやすいため、唇やその周辺以外にもピリピリとした違和感を感じることがあったら、すぐに皮膚科や内科に受診しましょう。
ちなみに、帯状疱疹の特徴としては、身体の左右どちらか一方にピリピリとした痛みや小さな赤い斑点や水泡が帯状に現れます。
これらの症状を放置しておくと、慢性的な痛みや帯状疱疹神経痛を患う恐れもあるので、早めの受診をおすすめします。
尚、現段階ではっきりとした症状がなくても、血液検査や抗体検査で確定診断を行うことはできます。
サプリメントを活用する
口唇ヘルペスの症状を早く改善させたい場合は、ヘルペスウィルスの活動を抑えるリジンが配合されたサプリメントを摂ることもおすすめです。
アミノ酸であるリジンはヘルペスウィルスの増殖を抑える効果があるため、既に菌を保持している人の再発予防に役立ちます。
口唇ヘルペス用のサプリには、リジン単体のみ配合されたサプリメントもありますが、過剰摂取が起こりやすく、腎機能障害を引き起こす恐れがありますのでおすすめしません。
ヘルペスを発症するきっかけとなる免疫力の向上と皮膚の修復効果を意図したサプリメントを摂ることで、たとえ発症しても軽症で済むなどのメリットが得られます。
最近では、ヘルペス向けサプリメントの種類も増えているので、サプリについては以下の別記事にまとめました。
<参考:ヘルペスはサプリで予防できる!市販のヘルペス向けサプリメントを比較検証しました>
まとめ
口唇ヘルペスは、再発を繰り返すからと言って症状を放置したり間違った対処法をすると、重症化するケースもあります。
一度でもかかってしまった以上、長い付き合いとなるヘルペスだからこそ、正しい情報と治療方法を知ることが大切ですね。
また、免疫力や体力を付けるなどの予防策を行うことで、ヘルペスの再発防止やその他の病気のブロックにもつなげていきましょう。