口唇ヘルペスとは、人から人へ移る感染症の1つとして有名ですが、一度発症すると完治が望めないことでもよく知られています。
だからこそ、自分が感染しないように気をつけたいのはもちろんのこと、もし発症してしまった場合には人に移らないように配慮する必要があります。
そこで今日は、ヘルペスが発症してしまった時にやってはいけない4つのポイントについてまとめてみました。
水ぶくれを触らない、破らない
何と言っても、口唇ヘルペスが一番感染しやすいとされる時期は、水ぶくれの症状が出ている時です。
ヘルペスの前兆として唇やその付近にピリピリとした違和感を感じ、次のステップとして赤みや痒みが生じてきますが、この時期には既にウィルスの増殖は活発に行われています。
前兆からおよそ3日程でプツプツとした水ぶくれが現れ、個人差はあるものの水泡は数時間から数日の内に破れて液体が出てくる仕組みになっています。
この液体の中には大量のウィルスが存在しているため、その時に患部を直接指で触ったり舐めたりすると、そこにウィルスが付着してしまいます。
ウィルスを触った手指で目をこすったりすると、ヘルペス角膜炎になる可能性もあるので、充分に注意してください。
もし、誤って患部に触れてしまった場合は、念入りに手を洗った後に、コットンに消毒液を含ませて手指や患部を消毒する必要があります。
キスやハグ、タオルの共有はしない
別名「愛のウィルス」と呼ばれるだけあって、口唇ヘルペスのほとんどは家族や恋人から移っていきます。
口唇ヘルペスは空気感染はしないものの、キスや頬ずりなどで交わされる唾液から感染することが多く、親密な関係であればあるほど感染する確率は高くなっていきます。
特に、新生児は免疫力が備わっていないため、少しの接触でも全身にウィルスが広がり重篤な症状になる場合もあります。
赤ちゃんのいる家庭では、どんなに可愛くてもキスやハグなどのスキンシップは控えて、赤ちゃんに触れる際はしっかりと手洗いと消毒をするようにしましょう。
夫婦や恋人同士でもキスはもちろんのこと、オーラルセックスによる性器ヘルペスへの感染を防ぐため、性行為の際にもいくつか注意する必要があります。
また、箸やフォーク、グラスやタオルの共有も絶対にしてはいけません。
箸や食器の共有は、口の粘膜部分からウィルスの侵入を許すことになりますし、タオルやティッシュに付着したウィルスにも充分な感染力を維持するパワーがあります。
通常、健康な皮膚は角層が厚いため、ウィルスの付いたタオルに触ってもかんたんに感染することはありませんが、もし仮に指に傷やささくれができていた場合は、ウィルスの侵入を容易に許してしまう恐れがあります。
刺激のある食べ物は摂らない
口唇ヘルペスにかかっている間は、水ぶくれや痒みを伴った赤みの症状以外にも、口内炎や歯茎に痛みが生じるなどのトラブルが発生する場合もあります。
口唇ヘルペスからヘルペス性歯肉口内炎になる確率は全体の1割程と高くはないものの、生後半年から3歳くらいまでの初めてヘルペスに感染する子供に最も多いとされる症状です。
症状が出ている間は口内に強い痛みを伴うため、なるたけ刺激の少ない食べ物を摂る必要があります。
痛くて食べられない場合は、水分をしっかり摂れば問題はありませんが、その際に乳酸菌飲料やジュースを飲ませるのは控えることをおすすめします。
甘みが強いと返って痛みが増す場合があるので、お茶や牛乳などを少しずつ与えるようにしましょう。
食べ物は、やわらかく水分を含んだ喉越しの良いものを選び、油分や塩分が強いものや熱いものは控えるようにしてください。
食後に白湯やうがい薬でうがいをするなど、口の中を常に清潔に保つことで、傷や痛みが早く癒えます。
マスクをつけっぱなしにしない
口唇ヘルペスは、唇やその付近に症状が現れるため、マスクをして患部を隠したいと思う人は多いと思います。
しかしマスクは、患部を隠したりむやみに手で触らないようにするなどのメリットがある反面、マスクの中は蒸れて不衛生になりやすいと言ったデメリットもあります。
マスク内に湿気が充満することでウィルスが増殖しやすい環境となり、症状のさらなる悪化や他の部位に移してしまったり、マスクが患部に触れることで水ぶくれが破れやすい環境になってしまう恐れもあります。
ヘルペスの症状を緩和させる近道は、口の周りを清潔に保つことが大前提であるため、マスクをする場合は長時間の使用を避けるか、頻繁にマスクを代えることが大切です。
また、マスク以外にも水ぶくれを隠せるアイテムとして、ヘルペスパッチと言う透明なパッチも販売されており、こちらは貼った上からメイクができたり、痒みや痛みを抑えてくれるメリットもあるため、マスクとパッチを併用しながら使うこともおすすめです。
まとめ
今日は、口唇ヘルペスにかかった時にやってはいけないポイントをまとめてみましたが、根底にある一番の基本は「症状を放置しない」ことです。
水ぶくれや痒みをそのまま放っておくと、人に感染させてしまうだけでなく、症状が悪化したり治るまでの時間が大幅にかかるなど、良いことは一つもありません。
ヘルペスにかかったなと感じたら、まずは医師による診察を受け、治療薬を用いて早急にウィルスの増殖をストップさせるよう心がけることが大切なのかも知れませんね。