性器ヘルペスは、性器の周辺やお尻のまわりに症状があらわれる病気です。では、この性器ヘルペスは何が原因で発症し、どのような症状があらわれるのでしょうか。また、性器ヘルペスの治療はどのように行われるのでしょうか。ここでは、性器ヘルペスについて詳しく解説します。
目次
性器ヘルペスの症状
性器やその周辺、お尻に小さな水ぶくれができ、痛みやかゆみ、不快感などを伴う病気です。水ぶくれが破れると粘膜がただれ、排尿時などに強い痛みが生じることがあります。
初めて症状が出るときには、症状が強く多数の水ぶくれや発熱などを伴うこともありますが、再発時には水ぶくれの数も少なく、症状は軽くなります。ただし、女性は再発時でも痛みや不快感が男性よりも強い傾向があります。
初感染時の症状
性器ヘルペスに初めて感染した場合、以下のような症状があらわれます。
・患部がヒリヒリする
・患部がむずがゆい
・激しい痛み
・女性の場合は排尿痛が生じることがある
・赤いブツブツができる
・水ぶくれができる
・発熱
初感染時の症状は再発時と比べてかなり重いのが特徴で、人によっては38度以上の高熱が出たり足の付け根部分にある鼠径リンパ節が腫大して強い痛みが生じたりすることもあります。
再発時の症状
性器ヘルペスは、一度治ったとしてもその原因となるウイルスが体内の神経節に潜伏しています。そのため何らかのきっかけでこのウイルスが活性化すると、性器ヘルペスが再発してしまうことがあります。
ただし再発時にあらわれる症状は初感染時と比べてやや軽く、具体的には以下のような症状があらわれます。
・小さな水疱やびらん、潰瘍が数個程度形成される
・軽い痛み
ちなみに再発の頻度は人によって異なり、1年に1回くらいの人、1か月に1回くらいのペースで再発を繰り返す方もいます。
性器ヘルペスの原因
性器ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルスⅡ型」に感染することによって発症します。
単純ヘルペスウイルスⅡ型は直接・間接接触による感染するウイルスで、その主な感染経路は性行為であることがわかっています。つまり、単純ヘルペスウイルスに感染しているパートナーと性行為をすることでそのウイルスが性器やお尻、その周辺から侵入・感染し、性器ヘルペスになってしまうというわけですね。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると、生涯にわたって神経に潜伏します。初感染したときは、2〜10日程で症状が出てきますが、症状が出ないまま潜伏することもあります。
口唇ヘルペスが原因で性器ヘルペスになることもある
性器ヘルペスは、口唇ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルスⅠ型への感染が原因で発症することもあります。
例えば口唇ヘルペスに感染している方とオーラルセックスをした場合、あるいは口唇ヘルペスの症状が出ている部分に触れた手で性器に触った場合、ウイルスが性器に感染して性器ヘルペスになってしまうケースがあるのです。
ちなみに性器ヘルペスを発症するには“ウイルスに感染しさえすればいい”わけですので、ご自身が口唇ヘルペスになっている場合、自家感染によって(自分の口唇ヘルペスのウイルスが自分の性器に感染することによって)性器ヘルペスになる可能性も、十分にあり得ます。
性器ヘルペスの治療法
性器ヘルペスを発症した場合、その治療は薬物療法によって行われます。この病気の原因である単純ヘルペスウイルスに対して効果的な抗ウイルス剤を内服・外用することによってウイルスの活動・増殖を抑制し、症状の改善を図っていくのです。
また性器ヘルペスに初感染した場合で高熱やリンパ節腫大といった全身症状が出ている場合は、入院をして全身管理をしつつ、点滴による治療が必要となることもあります。
性器ヘルペスは、何も治療をしなくても患部を清潔に保っておけば3週間程度で治ります。しかしきちんと治療を受ければ1週間程度で治すことができますので、ヘルペスと思われる症状があらわれた場合は、早めに病院を受診しましょう。
性器ヘルペスへの感染を予防する方法
単純ヘルペスウイルスは感染力が非常に強いウイルスで、患部に直接的・間接的に接触することによって簡単に感染してしまいます。
では、性器ヘルペスを予防するためにはどうすればいいのでしょうか。
ヘルペスウイルスは、症状が出る少し前から増殖し始め、水ぶくれが形成される頃にその数が最も多くなります。反対に症状がなくなってしまえば、ウイルスは神経節の奥の方に潜んでしまい表にはまず出てきません。
そのため性器ヘルペスを予防するためには、
・症状が出ている時は性行為をしない
・患部に接触しない
・患部に触れた手で他の部分に触れない
・症状が出ている時はタオル等を共用しない
といったことに気をつけましょう。
また性器ヘルペスは、
・過労
・他の性感染症への罹患
・月経
・アルコールの過剰摂取
・長時間、強い紫外線に当たる
・免疫低下
・ストレス
・性行為による皮膚の摩擦・損傷
等をきっかけとして再発することがありますので、これらに該当する場合は体調管理に気をつけることが大切です。
再発予防を目的にサプリメントを活用するのも1つです。
いまはヘルペス専用サプリもあるため、一度試してみてもいいと思います。
まとめ
単純ヘルペスウイルスに感染することで発症する性器ヘルペスは、性行為だけでなく口唇ヘルペスからうつることもあります。
この病気の症状が出ている時はウイルスが大量に排出されており人に感染させてしまう可能性が高くなりますので、患部への直接・間接的な接触を避けるとともに疑わしい症状がある場合は早めに病院に行き、適切な治療を受けるようにしましょう。