口唇ヘルペスと言うと「やっかいな病気」と感じる人もきっと多いと思います。
確かに、一度発症すると再発を繰り返す点では、やっかいなイメージがつきまとうのも納得ですよね。
しかし、完治しないからと言ってヘルペスが恐ろしいウィルスであると言うことはなく、実は多くの人が体内に持っている一般的なウィルスなのです。
そこで今日は、口唇ヘルペスの感染予防策や、かかってしまった場合の治療法について、詳しくまとめてみました。
やっかいなヘルペスと上手に付き合うには
20代から30代の日本人のおよそ半分、60代以上に至ってはほとんどの人が感染していると言われているヘルペスですが、このウィルスは一旦感染すると完全に体内から消失させることはまず不可能だと言われています。
ヘルペスの症状自体は2週間ほどで治まるケースが大半ですが、症状が治まったからと言って体内からウィルスが完全にいなくなったと言う訳ではなく、ウィルスは神経細胞の中にその身を隠していて、いつか再び表に出てこられるチャンスをじっと待っています。
こう言った点が、ヘルペスウィルスが「やっかいな病気」と言われるゆえんでもあるようです。
しかし、現在の医学ではヘルペスウィルスを完全に抹殺することはできないものの、適切な治療や日頃の心がけでウィルスの再発を防ぐことは可能です。
日頃の自己管理や早期発見に努めることで口唇ヘルペスの再発をコントロールし、もしかかった場合は正しい治療を行うことで、ヘルペスと上手に付き合っていくよう心がけることが大切です。
感染予防のための自己管理とは
口唇ヘルペスは、人からの飛沫感染や接触感染以外にも、疲労やストレス、体調不良による免疫力の低下が原因で再発することがあります。
再発する頻度は年に1,2回が平均だと言われていますが、女性の場合はホルモンバランスが乱れる月経前などは再発しやすいことも分かっていますので、その期間はなるたけストレスや疲れを溜めないようにする必要があります。
日頃からできる予防策としては、栄養バランスに優れた食事を1日3食摂ることが大前提です。
免疫効果を高める効果のある、ビタミンA(ニンジン、ホウレン草)、ビタミンC(レモン、ピーマン)、ビタミンB1(豚肉、鶏レバー)、ビタミンB6(いわし、まぐろ)などを積極的に食事に加えていきましょう。
ちなみに、ヘルペスウィルスに効果的な成分と言えば必須アミノ酸のリジンが挙げられます。
リジンは、体内で作り出せないとされる必須アミノ酸の1つであり、たんぱく質やコラーゲン作りをサポートしてくれる働き以外にも、アルギニンと呼ばれるヘルペスの増殖を活発化させる成分を減らしてくれる効果が期待できます。
リジンが多く含まれた食品(肉、魚、納豆、かぼちゃ等)を摂取してウィルスの増殖を抑えていきましょう。
毎日リジンが含まれた食材を摂るのが難しい場合には、リジンを配合したサプリメントを活用することもおすすめします。
ただし、海外の商品で多いリジンのみのサプリは過度な摂取が原因で腎機能障害を引き起こす恐れがありますのでおすすめしません。
国内産のヘルペス専用のサプリメントもありますので参考にしてみてください。(参考:「再発を予防する口唇ヘルペス向けサプリメントを徹底比較」)
ヘルペスを発症するきっかけとなる免疫力の向上と皮膚の修復効果を意図したサプリメントを摂ることで、たとえ発症しても軽症で済むなどのメリットが得られます。
また、強い紫外線はヘルペスの発症原因になることも分かっていますので、日傘や帽子、UVカット配合のクリームやリップでしっかりと紫外線対策をはかるようにしてください。
仕事や家事に忙しく、充分に睡眠や休息が取れない場合も再発するきっかけになりますので、休みの日は趣味や軽い運動をして心身ともにリフレッシュする機会を作りましょう。
早期治療がもたらすメリットとは
口唇ヘルペスの早期発見・早期治療がもたらすメリットは、何と言っても症状が軽く済むことです。
自己判断の遅さ故に、患部の水ぶくれがただれて悪化すると、消えない痕が残ってしまったり、再発の頻度が増えることが分かっています。
その点、適切な治療が早ければ早いほど、ウィルスの増殖を防ぐことができるため、水ぶくれや赤みの症状は軽く回復も早くなります。
ほんの少しでも、唇やその周辺がピリピリと違和感を感じるようであれば、即座にヘルペスを疑うようにしましょう。
口唇ヘルペスにかかってしまった時の治療方法
少しでも唇やその周辺に予兆が現れたら、まずは患部を清潔にして水ぶくれを触ったり破いたりしないようにしましょう。
リジン配合のサプリメントやヘルペスに対応した軟膏やリップクリームがある場合は、すぐにケアしてください。
病院で医師の診察を受ける場合は、皮膚科か内科が良いでしょう。
診察内容としては、医師による問診と視診によって、口唇ヘルペスにかかっているかどうかを判断しますが、症状の具合によっては血液採取でウィルス抗体を調べる場合もあります。
処方される薬は、ウィルスの増殖を抑える抗ヘルペスウィルス薬や軟膏クリームが一般的ですが、こちらも症状によっては抗生物質や鎮痛剤が出される場合もあります。
また、以前はヘルペスの治療薬を市販で購入することはできませんでしたが、現在ではドラッグストアで軟膏やクリームと言った外用薬を購入することができます。
しかし、外用薬とは言え口唇ヘルペスの薬は第一類医薬品となるため、薬剤師が勤務しているドラッグストア以外では購入することができないため注意が必要です。
また、過去に口唇ヘルペスと診断され、今回も同じ症状である人に限って使用が許可される薬なので、判断が付きにくい場合は医師の診察を受けるようにしてください。
ちなみに、抗ヘルペスウィルス薬などの経口薬に関しては、今でも病院でしか手に入れることはできませんのでご注意を。
市販の軟膏の使い方としては、1日3回から5回程度、食事後や就寝前に塗布してください。
一般的な症状であれば10日間程度の使用が目安であり、かさぶたができて患部が乾燥してきたら薬の使用はストップしましょう。
まとめ
冒頭でもご紹介しました通り、口唇ヘルペスは長い目で付き合っていく覚悟が必要です。
普段は特に敏感になる必要はありませんが、家族が発症していたり、疲れやストレス・風邪などで体調を崩している時には少し注意してください。
ヘルペスは早期発見し適切な処置を行うことで、その症状の出方にも大きな差がでてくる病気です。
まずは、規則正しい食事や睡眠を心がけ、おかしいなと思ったらすぐに対応することが、口唇ヘルペスの最大の治療方法と言えるのではないでしょうか。