性器ヘルペスに感染したら一生セックスできないの？

性器ヘルペスへは、患部に直接・間接的に接触することによって感染します。そしてこのウイルスに一度感染すると、これを体内から追い出すことができません。では、ヘルペスに感染してしまった場合、一生セックスしてはいけないのでしょうか。

また、仮に感染後もセックスができるとした場合、どのような点に気をつければいいのでしょうか。

ヘルペスへの感染経路について

ヘルペスは、その原因となる「単純ヘルペスウイルス」に直接・間接的に接触することによって感染します。例えばヘルペスの症状が出ている人とセックスした場合、皮膚同士の接触によってヘルペスウイルスに感染して自分も性器ヘルペスになってしまう、といった具合ですね。

ちなみに性器ヘルペスへの主な感染経路には、

・セックス
・フェラチオ
・クンニリングス
・リミング
・タオルやシーツを介した感染

などが挙げられます。

そしてこのヘルペスウイルスですが、一度感染すると、現代医学ではこれを体内から完全に追い出すことができません。

もちろんヘルペスの症状については抗ヘルペスウイルス薬を使った治療によって改善することができますが、ヘルペスウイルス自体を退治することはできないのです。

では、ヘルペスに感染してしまった人は、一生セックスしてはいけないのでしょうか？

安心してください。そんなことはありません。

そもそもセックスによってヘルペスをうつしてしまうのは、性器やその周辺に“出てきている”ヘルペスウイルスに感染してしまうためです。ということはウイルスに触れさえしなければ、セックスをしても他人にヘルペスを感染させることはありません。

そしてこのヘルペスウイルスですが、性器ヘルペスの症状が出ているときに最も多く放出されています。反対に、症状が出ていないときは神経節の近くに隠れてしまっているため、体表面に出てくることはほとんどありません。

そのためヘルペスに感染してしまったとしても、“症状がでているとき”あるいは“症状が出そうなとき”以外であればセックスをしてもかまわないのです。

性器ヘルペスは、口から性器へと感染することもあります。口唇ヘルペスの症状が出ている人とオーラルセックスをした場合、口唇やその周りにいる単純ヘルペスウイルスが性器に感染し、性器ヘルペスになってしまうわけですね。

また逆も然りで、性器ヘルペスに感染している人とオーラルセックスをした場合、性器周辺にいるウイルスが口唇に感染して口唇ヘルペスになってしまうこともあります。

そのため性器ヘルペスや口唇ヘルペスの症状が出ているときは、セックスだけでなくオーラルセックスについても控えなければなりません。

性器ヘルペスは、再発率が非常に高い病気です。そのため治療をして症状が治まったとしても、油断することはできません。実際、性器ヘルペスになった人の約8割が1年以内に再発しています。

また単純ヘルペスウイルスは症状が出始める前に体の表面へと出てくることがあり、知らないうちにヘルペスをうつしてしまっていた、というケースも珍しくありません。

そこでおすすめしたいのが「再発抑制療法」です。

この治療法では毎日薬を飲むことによってヘルペスウイルスの増殖を抑え、性器ヘルペスの再発を予防することができます。そしてこの治療には、パートナーへのヘルペス感染率を下げる効果も期待できます。

パートナーへの感染に関して不安を抱えているという方は、再発抑制療法を検討してみるというのもいいかもしれませんね。

ヘルペスの原因となるウイルスは、症状が出ているときに最も多く体表面へと排出されています。そのためヘルペスの症状が出ている間は、性行為を控えるようにしましょう。