性器ヘルペスの妊娠や出産への影響について

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ヘルペスに感染してしまった場合、心配なのは妊娠や出産への影響ですよね。では、性器ヘルペスは妊娠や出産に何らかの影響を与えるのでしょうか。

また、既にヘルペスに感染している人が妊娠・出産する場合、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

ヘルペスになっても妊娠、出産はできる?

赤ちゃんとお母さん

性器ヘルペスになった場合、妊娠や出産への影響が気になりますよね。性感染症の中には悪化すると不妊症の原因になるものもあるため、女性の中にはヘルペス感染による妊娠への影響について不安を抱えている方も多いのではないかと思います。

しかし、安心してください。
ヘルペスウイルスは体内の神経節に潜んでいるもので、母体がウイルスに感染したからといって胎児にまでそのウイルスが遺伝してしまうということはありません。またヘルペスが子供をつくる能力に影響を与えるということもありませんので、例えヘルペスに感染してしまったとしても妊娠・出産することは十分可能です。

妊娠前・妊娠中のヘルペス感染による胎児への影響は?

妊娠自体にはなんら影響を与えない性器ヘルペスですが、妊娠前や妊娠中に性器ヘルペスに感染してしまった場合、その感染時期によっては胎児に影響が及ぼされることがあります。

妊娠前にヘルペスに感染した場合

まずは妊娠前にヘルペスに感染した、つまりヘルペスの病歴があるという場合についてです。
このケースでは母体内にある免疫が胎盤を通じてお腹の赤ちゃんへと移行していますので、分娩時にはこの免疫がウイルスから赤ちゃんを守ってくれます。そのため新生児にヘルペスが感染するリスクが非常に低く、安全に出産することができます。

妊娠29週までにヘルペスに感染した場合

次は妊娠中にヘルペスに感染してしまったケースについてですが、感染したのが妊娠29週までである場合、新生児にヘルペスが感染するリスクは低いことがわかっています。実際ほとんどの女性が健康な赤ちゃんを出産していますので、そこまで神経質になる必要はないでしょう。

妊娠30~40週の間にヘルペスに感染した場合

問題は、妊娠30~40週の間にヘルペスに感染してしまったケースです。
この期間におけるウイルス感染は、出産時に赤ちゃんにウイルスが感染して新生児ヘルペスを発症するリスクが最も高くなります。

というのも初めてウイルスに感染してから体内で免疫力が構築されるには、ある程度の期間を要します。そのため妊娠30~40週の間にヘルペスウイルスに初感染した場合、胎盤を通じて赤ちゃんに免疫を移行させることができません。
さらに初感染時は再発時よりも多くのウイルスが放出されており、産道にもウイルスが存在することがあります。

つまりこの期間にヘルペスウイルスに初感染すると、赤ちゃんはウイルスに対する抵抗力を全く持たない状態でウイルスだらけの産道を通って生まれてくることになるため、どうしてもヘルペスに感染しやすくなってしまうのです。

そのため妊娠30~40週の間にヘルペスに初感染した場合や出産時にヘルペスの症状が出ている場合は、赤ちゃんへのウイルス感染を予防するために帝王切開が検討されることになります。

パートナーがヘルペスに感染している場合も要注意

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パートナーがヘルペスに感染している場合、例えあなた自身がヘルペスに感染していなくても少し注意する必要があります。

というのもヘルペスウイルスは、症状が出ていない時にも体表面に出てくる可能性があることがわかっています。そのため症状が出ている時はもちろんそうでない時も、妊娠中のセックスには十分注意する必要があります。

まとめ

妊娠前や妊娠中にヘルペスに感染したとしても、妊娠して元気な赤ちゃんを産むことは十分可能です。ただし妊娠30~40週の間に感染した場合は少々注意が必要ですので、心配なことがある方は主治医に相談してみることをおすすめします。

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