発症すると唇や口のまわりに水ぶくれができたり痛みを感じたりする口唇ヘルペス。ただ、もっと厄介なのは人にうつしてしまう可能性があるということですよね。ただしこの病気は、常に人に感染させてしまうわけではありません。
では、口唇ヘルペスをうつす可能性が無くなる、あるいは低くなるのは、どういう状態になった時なのでしょうか。
口唇ヘルペスの感染経路について
口唇ヘルペスへは、その原因となるヘルペスウイルスに直接的、もしくは間接的に接触することで感染します。そのためパートナーや家族が口唇ヘルペスになってしまったという場合、「どんなことをしたら感染してしまうのだろう」と不安になってしまうと思います。
では、口唇ヘルペスは、どういった経路で感染するのでしょうか。この病気に感染するのは、あるいはしないのはどのような時なのかということについて知る前に、まずはその感染経路について知っておきましょう。
口唇ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス」に感染することによって発症する病気です。そしてこのウイルスへは、直接・間接的に接触することによって感染します。
具体的には、
・ヘルペスの症状が出ている部分を触る
・キスをする
・オーラルセックスをする
・タオルを共有する
・食器を共有する
・ペットボトルの回し飲みをする
といったことをすると、感染の可能性が高くなるといえます。
口唇ヘルペスがうつりやすいのはどんなときか
患部に直接・間接的に接触することで感染する口唇ヘルペスですが、この病気は、常に感染しやすい状態にあるわけではありません。
確かにヘルペスウイルスは感染力の強いウイルスなのですが、症状が出ていない時は、神経を構成している細胞の奥の方に隠れてしまっています。そして体の奥にウイルスが隠れてしまっている時は、上記のような行為をしたとしてもヘルペスに感染することはまずありません。
問題なのはヘルペスの症状が出ている時で、口唇ヘルペスを発症すると、口唇や口のまわりに水泡(水ぶくれ)が形成されます。そしてこの水ぶくれの中には、大量のヘルペスウイルスが存在しています。
またこの水ぶくれが潰れたり破れたりしてその中身が出てくると、その中に含まれるヘルペスウイルスが大量に排出されます。この状態の患部に接触した場合、ヘルペスに感染する確率が高くなってしまうので注意が必要です。
口唇ヘルペスはどんな状態になったら感染しないのか
そんな口唇ヘルペスですが、例えばパートナーがヘルペスウイルスに感染したとして、感染を予防するには一生パートナーと触れ合えないのかというと、そういうわけではありません。
上で説明したように、ヘルペスウイルスはその症状が出ているときにたくさん排出されています。そして症状がおさまってしまえば、ヘルペスウイルスも神経の奥の方へと隠れて行ってしまうのです。
口唇ヘルペスには、
【前駆期】→【発症初期】→【発症2~3日後】→【回復期】
という4つの段階があります。
そして発症初期は患部が赤くなる程度だった症状も、水ぶくれが形成されてこれが潰れ、回復期になる頃にはかさぶたになってしまいます。そして完全に治った後は、ヘルペスウイルスも神経細胞の奥の方に隠れてしまっているというわけですね。
ちなみに前駆症状がでてから症状が回復するまでには、10日~2週間、長ければ3週間程度の期間を要します。
つまり口唇ヘルペスは、かさぶたができて症状が治ってしまえば、基本的に他人にうつることはない、ということになります。
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唾液にはウイルスが含まれていることがある
ヘルペスは、患部が完全に治ってしまえば基本的に人に感染させることはありません。しかし最近の研究によって、単純ヘルペスウイルス1型・2型ともに、症状が出ていないときにも唾液の中に排出されていることがわかっています。
そのため、パートナーがヘルペスに感染していてその人とキスをした場合で、なおかつあなたの唇や口の中に傷があった場合、そこからウイルスが侵入してヘルペスになってしまう可能性もゼロではありません。
しかし症状が出ていないときに唾液の中へと排出されるウイルスの量はごくわずかなものですので、そこまで神経質になる必要はないでしょう。
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まとめ
口唇ヘルペスは、症状が出ている時に患部に接触することで感染します。ということは逆に言えば症状が出ていない時に関しては人にうつらないということですので、パートナーや家族が口唇ヘルペスであるという場合、症状が出ているときだけは直接的・間接的に接触しないように注意しましょう。