性器ヘルペスになってしまった場合、病院に行かなければならないと頭でわかってはいても、恥ずかしさもあってなかなか病院に足が向かないという方も少なくないと思います。
しかし困ったことに、性器ヘルペス向けの市販薬(ドラッグストアや薬局で処方箋がなくても買えるお薬)は存在しないんですよね・・・。ただ、口唇ヘルペスに関しては市販薬が存在します。
では、口唇ヘルペス向けの市販薬は性器ヘルペスにも有効なのでしょうか!?
性器ヘルペス向けの市販薬は本当に存在しないの?その理由は?
患部に水ぶくれができたり強い痛みを感じたりするヘルペスですが、口唇ヘルペスならばともかく性器ヘルペスになってしまったという場合、場所が場所だけに何となく病院に足が向かないという方も多いのではないでしょうか。
また性器ヘルペスは口唇ヘルペスよりも再発頻度が高いため、再発するたびに病院に行かなければならないというのも厄介です。
性器ヘルペスの主な感染経路は性行為であるということもあり、やはりできることならば自宅で誰にも知られず治したい、という気持ちがありますよね。
では、性器ヘルペス向けの市販薬というものは存在するのでしょうか?
残念ながら、答えはNOです。
現在の日本では、性器ヘルペスの治療に使われている抗ウイルス薬は、医師の処方性がないと販売することができない「処方箋医薬品」に指定されており、医師の診察を受けないと購入できないようになっています。
どうして性器ヘルペスの市販薬は存在しないのか、その理由に関しては諸説ありますが、やはり性器に出ている症状が本当にヘルペスによるものかどうかの判断が難しい、という部分が大きいでしょう。
性器に水ぶくれや潰瘍ができたり痛みやかゆみが生じたりする病気は性器ヘルペス以外にもあるため、勝手な自己判断で性器ヘルペスと決めつけ市販薬で治療をするのはとても危険なのです。
また、性器ヘルペスは悪化するとかなり重い症状が現れることがあり、そういった場合には内服薬や点滴による治療が必要になってきます。
つまり性器ヘルペスは、市販薬で対処できる病気ではないというわけですね。
<参考:ヘルペス向け処方薬を個人輸入代行サービスを使って買うときの注意点は?>
口唇ヘルペスの市販薬は性器ヘルペスにも有効なのか
性器ヘルペスの市販薬が存在しないことはわかりましたが、「それなら、口唇ヘルペスの市販薬を使えばいいんじゃないの!?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は同じヘルペスでも、口唇ヘルペスに関しては市販薬が存在するんですよね・・・。
では、口唇ヘルペスの市販薬は、性器ヘルペスに対しても効果があるのでしょうか。
まず口唇ヘルペスの市販薬についてですが、現在ドラッグストア等で扱われているのは、ヘルペスウイルスに対して効果を発揮する「アシクロビル」という成分が配合されている外用薬(=塗り薬)です。
口唇ヘルペスはその原因となる単純ヘルペスウイルスが増殖することで症状があらわれる病気ですので、症状が出そうになった時に薬を塗ることによって患部におけるウイルスの増殖を抑え、症状の回復を早めることができるのです。
これに対して性器ヘルペスになった場合、病院では「ゾビラックス(軟膏またはクリーム)」という外用薬が処方されることがあり、この薬には抗ヘルペスウイルス作用がある「アシクロビル」という成分が含まれています。
そう。ドラッグストア等で市販されている口唇ヘルペスの外用薬にも、病院で処方される性器ヘルペスの外用薬にも、全く同じ成分が配合されているのです。
そのため、口唇ヘルペスの市販薬は、性器ヘルペスに対しても有効である可能性があります。
ただし口唇ヘルペスの市販薬はあくまでも「再発」した人のために販売されているもので、初感染した場合には、市販薬に頼るのではなく必ず病院を受診する必要があります。
また、性器ヘルペスは、症状が酷くなると外用薬だけではなく内服薬(=飲み薬)による治療が必要になりますし、初感染時はかなり重い症状が出るため病院での治療が必要となります。
そのため性器ヘルペスを発症したときは、
・性器ヘルペスの「再発」であるという確信がある
・症状が比較的軽い
という条件を満たしている場合に限り口唇ヘルペスの市販薬を使ってみるというのもいいでしょう。
ただしこれはあくまでも症状の悪化を食い止めるための「応急処置」ととらえ、基本的には病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。
まとめ
口唇ヘルペスの市販薬は、性器ヘルペスに対しても一定の効果を発揮する可能性があります。
しかし性器ヘルペスは病院での治療を基本とする病気ですので、疑わしい症状が出た場合は念のため病院を受診することをおすすめします。